自販機

いつもの朝早い時間の散歩を少し遅く出た。ハルはもうきちんと座って出掛けるのを待っている。明け方の世の中の動きはすでに始まっていた。通りがかりの歩道の自販機の前で、作業員の青年が自販機に新たに詰替えをやっている光景に出くわした。六,七箱のボックスを開け、缶やボトルをてきぱきと詰替えている。時間との勝負のようにも見えるくらいすばやいスピードだ。そして、空き缶だけを歩道沿いに止めたトラックの天井部を開け、放り込んでいる。後で数えてみると、一つの自販機だけで三十六もの種類の飲料缶やペットボトルが配置されていた。利用するとき、間違わないで指定した缶が出てくるのもすごいが、みんな彼らのおかげである。そういえば、五十年前ニューヨークに暮らしていた時、スーパーでは一、二種類のタオルが売られており、必要に応じて短くカットしたりして使い分けていたのだが、当時でも里帰りした日本では、タオルが手拭用、キッチン用、入浴用等と細かく分かれていてびっくりしたことがある。便利なようだが、かえって応用力がつかなくなるのではないかと危惧したことを思い出した。もちろん、便利か、不便か、自販機なるものは一つもなかった。

朝のいつもの一キロメートル弱の散歩ルート沿いだけでも四か所の自販機置き場がある。散歩の帰り道、大きな車の音がしたのでふと後ろを振り返ると、先程のトラックが高齢者マンションに入っていくではないか。まさか、この施設に・・・。でも今の老人は・・・。現代では、コンビニと同様、町の風景の一つである。もちろん、コンビニや交番のそばにはなかったけれども。

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