春のきざし

歩道沿いのまだ幹と枝だけの街路樹の根元にかわいらしい雑草の花が咲いているのを見つけた。散歩の途中、最初に気が付いたときは小さな薄緑色のハート型をした葉の群生の中に、一センチ程度の長さの筒状の黄色い花を十数個見ただけであった。近くに植えられてある灌木も鮮やかな赤褐色や緑黄色の葉を混在させながら「春が近いのだな」と思わせる風景である。地面に近いところほど春の足音が早いようでもある。その後、毎日通るところでもあり、気にかけて眺めていると、日増しに黄色の数は増え、数十を数えるようになった。各々の花もニー三センチと長くなり、先端はラッパ状に開いている。木の根元が一段と華やかになったように見える。夕方の散歩の帰り道、久しぶりになじみのコーヒーショップに立ち寄った。まだ少し肌寒いが、陽が落ちるのが確実に遅くなっているのが分かる。やがて、太陽も沈んだので、ハルと帰宅の途に立ちあがった。例の雑草花の前を通りかかると、薄明りの中で花々が日を惜しむかのように少しうなだれながら口を開いている。

街路樹の剪定作業車が来る時期が遅れるのを祈りながら、「明日も元気な姿を見れるといいね」とハルに話しかけて、その場を後にした。

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