坂道の上の建物

大通りと平行に走りJ緑地に向かう登り坂の脇道沿いに、朝日を浴びて燦然と輝く四階建ての建物がある。赤茶色の煉瓦状タイルを張った外壁は、陽を真正面に受けてオレンジ色に輝き、丸くアーチ状の窓と上部にとんがり状の緑青屋根をふいている姿は、この時間帯周囲を圧倒するかのような存在に見える。直線の坂道から、この建物脇を抜けて一直線に伸びて緑地の上に至る階段は見ごたえがある。ハルはこの道が大好きである。静かな上に、つまり先にある緑地の自然林に鼻が利くのであろう。この方向に来ても、たいていの日は階段下の公園状の場所で散歩を済ますのではあるが、朝から晴れ渡った日曜日の今日は、坂道の建物に勇気づけられたせいか、五十段はある階段を上って、上部の空き地に行くことにした。ハルが強くリードを引っ張る。毎日、シリアルにカルシウムの多いにぼしを加えて朝食にあげるので、脚は丈夫なはずだ。やっと上まで上がると、青空のもと緑に囲まれた空き地が広がっていた。

誰もいないのを確かめて、リードを外してやる。生き生きと嬉しそうに、自由に雑草のにおいをかいで回っている。かけっこをすると跳ねるようにして追いかけてくる。「ハルちゃん、良かったね」。

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