多様な花々

大きな植木鉢に植えられたミモザの木に黄色い花が乱れ咲いている。そして、その隣には縦横に組まれた木製のフレームから、四段、十列、合計四十個にもなる水を入れたフラスコ型のガラスの容器が吊られ、その中から各々違った花びらが顔を出している。散歩の通り沿いのこの店は、内側の明かりも余り漏れては来ず、入り口横のガラスのファサードが全てこの装飾で覆われている。「何の店だろうね」とハルといつもつぶやきながら、不思議に思っていた。店の名前や、独特の飾りつけからしてひょっとしたら南欧か南米か、外国の人なのかな、普段このあたりでは見られない多様な文化の一端を感じるように思えたものだ。ある日の夕刻、散歩に出ていつものようにそばを通りかかると、知り合いのワンちゃん仲間の女性が、入り口が開いた店の前で店主さんと談笑しているところに差し掛かった。「あっ、ここは美容室なんですね」と一瞬、声を出してしまった。きれいに飾られた花々の前で、女性が巧みに話をするのを、そばで相づちを打ちながら聞いていると、全て自分でアイデアのもとに飾りつけをしているようだ。

きちんとした考えを持たれた、なかなか個性的な美容師さんのようである。さまざまな花々と共に、多様な文化の、多様な職業の人を見たような気がしたものである。

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