ハルの家(うち)

ハルのうちは七十センチ×一メートル、三角屋根の木造である。ハルが一才になる前、ホームセンターで仕入れてきた。生後二か月ちょっとで我が家に来たときは、トイレの躾けもまだできていなかったので、最初は赤ちゃん用のクリッブで飼っていたが、そのうち慣れてきたので自分の寝床を持たせることにしたのだ。小屋をバルコニーに出そうという話も持ち上がったが、家族会議の結果、雨は当たるし、冬は寒いし、かわいそうだということで(我が家は娘の意見が一番通る)部屋の中で飼うことになった。というわけで、それ以来三十帖近くある、天井の高い居間の中心にドカンと座っている。やがて、しつけも出来たので小屋の格子の扉も取り外すことになった。ヨメサンによると、犬の散歩でよく顔を合わせる他犬の飼主さんは(小型犬が多いが)同じベッドで寝ているらしい。いつの頃からか我々がソファでくつろいでいると、そのうちソファがハルの寝床になってきたようで、小屋は寝床としてはあまり利用されなくなった。

よく居間の隣の食堂に我々と一緒にいるハルなのだが、たまにヨメサンと僕がトーンを挙げて言い合いを始めると、こそこそと尻尾を下げて自分の小屋に入り込み、はいつくばって事が収まるまでじっとこちらを見ている。自分のうちが一番安全だと思っているのかもしれない。そんな時、「ハルちゃん、大丈夫だよ」というと、やおら首をもたげ、尻尾を振りながら近づいてくるのだ。それでも、居間と食堂の境にある引き戸の敷居の向こう側で両足をきちっとそろえて座り、情勢を正確に見極めようとしているようである。

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